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新税率(標準10%及び軽減税率8%)簡易課税申告書の書き方

簡易課税の申告では、(仮受)消費税額から控除する(仮払消費税相当)金額を、実際の仕入額・経費支払額・固定資産購入額と無関係に、(仮受)消費税額の一定割合で計算します。この割合を「みなし仕入率」といい、次の業種ごとにみなし仕入率が定められています。

第一種事業 (卸売業)

90%

第二種事業 (小売業等)

80%

第三種事業 (製造業等)

70%

第四種事業 (その他)

60%

第五種事業 (サービス業等)

50%

第六種事業 (不動産業)

40%

仮受消費税額に対する仮払消費税額の比率がみなし仕入率より小さい場合は、簡易課税で申告するほうが消費税の納税額が少なくなります(逆の場合は多くなります)。

 ● 簡易課税申告の選択の要件 ⇒   消費税の基礎の基礎  (令和元年10月1日から1年間は特例有り 下記「T」の4.)

 ● 必要な届出書など ⇒  税務・社会保険届出書等一覧

なお、簡易課税申告を選択していると、仮受消費税額<仮払消費税額 となっても還付申告(請求)することができません。実績に基づいて消費税額から控除する金額(以後「控除税額」)を計算しませんから、これは当然のことです。

T  税率区分ごとに課税売上額を集計する(申告書作成の準備段階です)

標準税率分10%と軽減税率分8%の課税売上額を分けて集計します。10%・8%は国税分と地方税分の合計で国税分はそれぞれ7.8%、6.24%です。

標準税率と軽減税率の区分ですが、それに対応したレジシステムや会計ソフトを使用すれば、区分集計は自動的に処理できます。しかし、それができない、或いは困難な事業者はどうそればよいか .....  次の特例が設けられています。

1.対象事業者 …  前々年(個人)又は前々事業年度(法人)の課税売上高が5千万円以下の事業者

2.適用期間 …  軽減税率制度の実施から4年間

3.内容 

通常の連続する10営業日の売上管理によって「標準税率の売上割合」と「軽減税率の売上割合」を算出して、その割合を全課税期間に適用する。

軽減売上割合(10営業日)

10日間は区分して実額で売上額を集計する必要があります。「通常の」ですから「特別セール」や「〇〇祭」等が含まれないことが要件です。

 標準税率の売上割合=40%、軽減税率の売上割合=60%の場合

 標準税率の売上額=総売上額 ✕ 0.4

 軽減税率の売上額=総売上額 − 標準税率の売上額

10日間の売上管理もできない事業者(主に軽減税率対象品目を販売する事業者が対象です)は、標準税率の売上割合と軽減税率の売上割合をそれぞれ50%とすることができます。

4.「簡易課税制度選択届出書」を提出した課税期間から簡易課税制度の適用ができる特例が設けられています(令和元年10月1日から令和2年9月30日での日の属する課税期間)。

U  申告書の書き方(作成手順)

付表4-3 ⇒ 付表5-3(控除対象仕入税額の計算) ⇒  付表4-3 ⇒ 申告書(第一表及び第二表)の順に作成します。

【1】

付表4-3

まず付表4-3の@〜B欄及びD、E欄を記載します。

区        分

税率6.24%適用分

税率7.8%適用分

合      計

 課  税  標  準  額

@

税抜き額で、1,000円未満切捨て

 課税資産の譲渡等の対価の額

 

 

 

 消   費    税    額

A

@×0.0624

@×0.078

 

 貸倒回収に係る消費税額

B

 

 

 

控除仕入税額

C

 

 

 

返還等対価に係る税額

D

 

 

 

貸倒れに係る税額

E

 

 

 

控除税額小計 (C+D+E)

F

 

 

 

貸倒処理をした売上債権に回収があった場合には、回収金額に含まれる消費税額相当額をB欄に記載します。ここで中断し付表5-3の作成に移ります。

【2】

付表5-3

[1ページ目]

T 控除対象仕入税額の計算の基礎となる消費税額

区        分

税率6.24%適用分

税率7.8%適用分

合    計

 課税標準額に対する消費税額(付表4-3のA欄)

@

付表4-3から転記します

 貸倒回収に係る消費税額  (付表4-3のB欄)

A

 売上対価の返還等に係る消費税額

              (付表4-3のD欄)

B

 控除対象仕入税額の計算の基礎となる消費税額

C

@ + A − B

 

 

U 1種類の事業の専業者の場合の除対象仕入税額

項        目

税率6.24%適用分

税率7.8%適用分

合    計

 C×みなし仕入率

(90%・80%・70%・60%・50%・40%)

D

 

 

 

 

1種専業の場合はこれで付表5-3は記載終了で、付表4-3へ戻ります。

V 2種類以上の事業を営む事業者の場合の除対象仕入税額

 (1) 事業区分別の課税売上高(税抜き)の明細

項        目

税率6.24%適用分

税率7.8%適用分

合     計

 事業区分別の合計額

E

 

 

 

 

 第一種事業 (卸売業)

F

 

 

 

 第二種事業 (小売業等)

G

 

 

 

 第三種事業 (製造業等)

H

 

 

 

 第四種事業 (その他)

I

 

 

 

 第五種事業 (サービス業等)

J

 

 

 

 第六種事業 (不動産業)

K

 

 

 

  返品・値引き・割戻しの額を売上金額から控除せず、別個に経理処理している場合は、それらを控除した金額を記載します。

 
 (2) (1)の事業区分別の課税売上高に係る消費税額の明細

項        目

税率6.24%適用分

税率7.8%適用分

合       計

 事業区分別の合計額

L

 

 

 

売上割合

 

 第一種事業 (卸売業)

M

F〜K ×0.0624

( 端数切捨て)

F〜K ×0.078

( 端数切捨て)

 

 

 第二種事業 (小売業)

N

 

 

 第三種事業 (製造業等)

O

 

 

 第四種事業 (その他)

P

 

 

 第五種事業 (サービス業等)

Q

 

 
 第六種事業 (不動産業) R    

原則としては、事業区分別の消費税額にみなし仕入率を掛けて控除税額を算出しますが、売上割合が「 1種類の業種で75%以上」或いは「 2種類の業種で75%以上」あれば、特例計算で算出することもできます(選択可能)。「1種類の業種で75%以上」或いは「 2種類の業種で75%以上」の要件を満たすか否かは全課税期間で判定します。

売上割合は小数点以下1位までを記載しますが、小数点以下2位以下の端数処理に規定はありません。2業種であれば合計で100%ですから端数処理は問題になりません。「3業種以上」の場合は「四捨五入」が妥当なようです。 ⇒ 「簡易課税申告書の書き方(補足)」を参照してください。

[2ページ目]

 (3) 控除対象仕入税額の計算式区分の明細

   イ  原則計算を適用する場合

控除対象仕入税額の計算式区分

税率6.24%適用分

税率7.8%適用分

合     計

   下に記載の計算式  

S

 

 

 

    C×みなし仕入率 〔(M×90%+N×80%+O×70%+P×60%+Q×50%+R×40%)/L 〕  

◆ 原則計算を適用する場合

原則としては、事業区分別の消費税額にみなし仕入率を掛けて控除税額を算出します。 原則計算を適用する場合は、S欄の金額を㊲欄に転記して付表5-3は記載終了です。なお、特例計算の適用要件を満たす場合、原則計算を適用するか特例計算を適用するかは任意です(両方計算して控除税額の多大きい方を選択することができます)。

◆ 特例計算を適用する場合 

特例計算を適用する場合は、㉑〜㊱から該当する計算式を選択します。1種類の業種で75%以上であれば2種類の業種で75%以上になりますので㉑と㉒〜㊱のうちのいずれか該当する計算式を選択して、控除額の大きい方を「控除対象仕入税額」とすることができます。

  ロ  特例計算を適用する場合  

   (イ) 1種類の業種で75%以上

控除対象仕入税額の計算式区分

税率6.24%適用分

税率7.8%適用分

合   計

   下に記載の計算式  

 

 

 

    C×みなし仕入率 (90%・80%・70%・60%・50%・40%) … 判定の基になった業種のみなし仕入率を適用します 

   (ロ) 2種類の業種で75%以上

 控除対象仕入税額の計算式区分

税率6.24%適用分

税率7.8%適用分

合   計

第一種及び第二種事業

C×〔M×90% +(L−M)× 80% 〕/ L

 

 

 

第一種及び第三種事業

C×〔M×90% +(L−M)× 70% 〕/ L

 

 

 

第一種及び第四種事業

  C×〔M×90% +(L−M)× 60% 〕/ L 

 

 

 

第一種及び第五種事業

C×〔M×90% +(L−M)× 50% 〕/ L

 

 

 

第一種及び第六種事業 C×〔M×90% +(L−M)× 40% 〕/ L      

第二種及び第三種事業

 C×〔N×80% +(L−N)× 70% 〕/ L  

 

 

 

第二種及び第四種事業

C×〔N×80% +(L−N)× 60% 〕/ L  

 

 

 

第二種及び第五種事業

 C×〔N×80% +(L−N)× 50% 〕/ L  

 

 

 

第二種及び第六種事業 C×〔N×80% +(L−N)× 40% 〕/ L        

第三種及び第四種事業

C×〔O×70% +(L−O)× 60% 〕/ L 

 

 

 

第三種及び第五種事業

 C×〔O×70% +(L−O)× 50% 〕/ L  

 

 

 

第三種及び第六種事業  C×〔O×70% +(L−O)× 40% 〕/ L        

第四種及び第五種事業

C×〔P×60% +(L−P)× 50% 〕/ L

 

 

 

第四種及び第六種事業 C×〔P×60% +(L−P)× 40% 〕/ L      
第五種及び第六種事業 C×〔Q×50% +(L−Q)× 40% 〕/ L      
  (ハ) 上記の計算式区分から選択した控除対象仕入税額

項          目

税率6.24%適用分

税率7.8%適用分

合    計

 選択可能な計算式区分( S 〜 ㊱ )の内から選択した金額

 

   

㊲欄の金額が算定できましたら、付表4-3 に戻ります。

 参照 ⇒ 「 特例計算選択の場合の注意事項」 「 原則計算をするか、特例計算の適用を受けるかの判断」 

【3】

付表4-3に戻り、納付税額を算定します

           は記載済みになっている部分です。

区        分    

税率6.24%適用分

税率7.8%適用分

合     計

  課    税    標    準    額

@

 

 

課税資産の譲渡等の対価の額

 

 

 

  消            費            税             額

A

 

 

 

  控    除    過    大    調    整    税    額

B

 

 

 

控   除   対   象   仕   入  税   額

C

 付表5-3で判定した金額を記載します

 

返  還  等  対  価  に  係  る  税  額

D

 

 

貸   倒   れ   に   係   る   税   額

E

 

 

 

控  除  税  額  小  計        (C+D+E)

F

 

 

 

  控  除  不  足  還  付  税  額       (F-A-B)

G

 

 

 

 

 

G〜Lは合計額だけ記載します

 

 

 

 

 

 

 A+B < F  の場合

  差       引       税        額     (A+B-F)

H

 A+B > F  の場合

地の

方課

消税

費標

税準

 控   除   不   足   還   付   税   額      (G)

I

 Gの金額を転記

 差             引           税          額      (H)

J

 Hの金額を転記

譲割

渡額

 還      付      額

K

 I × 22 ÷ 78

 納      税      額 

L

 J × 22 ÷ 78 

付表4-3の「合計」欄の金額を、申告書(第一表及び第二表)の該当項目欄に転記します。

[補足]

簡易課税の場合は常に 控除対象仕入税額< 消費税額 ですから、「控除不足(G)」による還付請求額が生じるのは、多額の貸倒れがある場合に限られます。

【4】

付表の結果を申告書(第一表、第二表)に転記し確定税額を算出する

【 申告書 第二表 】   

  付表4-3から転記する項目です。要記載項目は全て付表4-3で処理済みになっています。

 課 税 標 準 額    ※申告書(第一表)の@欄へ

1

0 0 0  

 

課税資産の譲渡等の

対価の額の合計額

3 % 適 用 分

2

 

4 % 適 用 分

3

 

6.3 % 適 用 分

4

 

6.24  % 適 用 分

5

 

7.8  % 適 用 分

6

 

(   合       計    )

7

 

特定課税仕入れに係

る対価の額の合計額

6.3 % 適 用 分

8

 

 (該当事項なし)

 

7.8  % 適 用 分

9

(   合       計    )

10

 

 消 費 税 額      ※申告書(第一表)のA欄へ

11

 

Jの内訳

3 % 適 用 分

12

 

4 % 適 用 分

13

 

6.3 % 適 用 分

14

 

6.24  % 適 用 分

15

 

7.8  % 適 用 分

16

 

 

 返還等対価に係る税額   ※申告書(第一表)のD欄へ

17

 

Pの内訳

売上げの返還等対価に係る税額

18

 

特定課税仕入れの返還等対価に係る税額

19

 (該当事項なし)

 

地方消費税額の課税

標準となる消費税額

(   合       計    )

20

 

4 % 適 用 分

21

 

6.3 % 適 用 分

22

 

6.24% 及び 7.8% 適用分

23

 

【 申告書 第二表 】の「改正法附則による税額の特例計算」

第二表の右上「軽減売上割合(10営業日)、小売等軽減仕入割合、小売等軽減売上割合」の欄は、該当するものに「〇」を付しますが、 内容についてはこのページの「T  」を参照してください。

【 申告書 第一表 】   

課税標準額

@

付表4-3で計算済みになっているので、そのまま転記

消費税額

A

控除過大調整税額

B

控除対象仕入税額

C

返還等対価に係る税額

D

貸倒れに係る税額

E

控除税額小計

F

控除不足還付税額

G

付表4-3Gの金額

差引税額

H

付表4-3Hの金額

中間納付税額

I

当期分の中間納付額を記載します

納付税額

J

H−I>0 の場合の金額

中間納付還付税額

K

H−I<0 の場合は還付請求します

修正申告

の  場  合

 

L

 

 

M

 

この課税期間の課税売上高

N

 

基準期間の課税売上高

O

 

課税

標準

控除不足還付税額

P

付表4 - 3Iの金額

差引税額

Q

付表4 -3Jの金額

譲割

渡額

還 付 額

R

付表4 -3Kの金額

納 税 額

S

付表4 -3Lの金額

中間納付譲渡割額

 

納付譲渡割額

S − ㉑ >0 の場合

中間納付還付譲渡割額

S − ㉑ <0 の場合は還付請求します

修申

正告

 

 

   合     計     額

消費税及び地方消費税の合計額(還付請求額の場合は−を付して記載)

㉖ ⇒ J+㉒−(G+K+R+㉓) ※ 控除不足による還付請求額と中間納付額の還付請求額の両方があるときは、その合計額になります。

【5】

 

その他の記入欄

申告書の右側の各欄のうち

● 課税標準額に対する消費税額の計算の特例の適用 (旧表記=規則22条1項の適用)

消費税の処理を税抜経理で行っており、かつ代金の請求(領収)・支払(請求書の受領)の都度消費税を別途計上している場合が該当します。

● 特例計算適用(令57B)

付表 5-3の「特例計算」です 

 申告書の用紙などは 国税庁の該当ページ からダウンロードしてください

製作・著作 協進会管理人 山元 悟   ( 2020 / 06 )   

 

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