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源泉徴収/社会保険事務

■ 源泉徴収

給与の支払があれば、所得税の源泉徴収(及び住民税の特別徴収)をしなければなりません。

◆所得税の源泉徴収

次の人からは、所得税を源泉徴収しなければなりません。

個 人 事 業

会   社

雇用している人 (正社員だけでなく、全員です)

青色申告で専従者として届け出ている人

給与を受ける人全員(当然役員も)

源泉徴収税額表をみれば徴収する税額が分かるようになっています。

「給与支給額(通勤費等非課税の額は含みません)-社会保険料の徴収額」と「扶養親族等の数」が交差する部分に記載されている額が徴収税額です。

扶養親族等の数は、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」で確認します(申告書となっていますが、事業主が保管します)。この申告書は、その年の初めの給与計算時までに、従業員全員から提出してもらいます。また、中途就職者には、入社後初めの給与計算時までに提出してもらいます。

給与の金額が少なく、所得税額のない人からは徴収しません。

徴収した所得税は、専用の納付書に必要事項を記入して、翌月10日までに納付します(金融機関、郵便局で支払います)。納期特例の適用を受けている場合は、半年分をまとめて納付します。

賞与からも所得税を源泉徴収しますが、税額の計算方法が少し違います。

従業員が退職した場合は、1ケ月以内に源泉徴収票を作成して本人に交付しなければなりません。給与・賞与の支払額、徴収済みの所得税額・保険料などを記入します。

なお、退職金の支払がある場合は、給与・賞与とは別に税金(所得税・住民税)を計算します⇒ 退職金(退職所得) 

源泉徴収をせず、従って税額の納付もしなかった場合は、源泉徴収義務違反で事業主が自分の負担で納付しなければならなくなります。

◆住民税の特別徴収

年末調整を実施する際には、源泉徴収票を作成して本人に交付しますが、同じ内容の「給与支払報告書」も同時に作成して従業員の住所地の市町村役場に提出しなければなりません。なお、手書きの場合「源泉徴収票」と「給与支払報告書」は複写になっています。

事業主 ( 会社 )

給与支払報告書 →

市町村役場

← 通 知 書

特別徴収税額

→ 金融機関

住民税は前年の所得税の計算を基にして、市町村が計算します。各人ごとの住民税の徴収額が事業主(会社)に送られて来ますから、これに従って住民税を徴収します。納付の方法は所得税とほぼ同じですが、市町村によって取扱いの金融機関が異なることがあります。

毎年6月~翌年5月までが住民税の徴収年度になっています。従って、毎年4月下旬~5月上旬に市町村から通知があります。

従業員が退職した場合で、徴収の税額がある場合は

 ■残りの税額を一括で徴収する   ■普通徴収(本人が収める)に切り替える  ■次の就職先で徴収する

かを決めて、住所地の市町村役場に届を提出しなければなりません。

■ 社会保険事務

個人と法人では加入要件が異なります ⇒ 事業を始めるには の下段を参照してください。

既に社会保険の加入手続きは済んでいるものとします。

◆従業員を採用したとき/従業員が退職したとき

 

 

届 出 書

提 出 先

採用時 退職時
 

健保・年金

資格取得届

資格喪失届

年金事務所(旧社会保険事務所)

 

雇用保険

資格取得届

資格喪失届

職業安定所

◆保険料の徴収と納付

健保・年金

給与から徴収する保険料=標準報酬月額×保険料率

標準報酬月額は原則として1年間同額なので、保険料も毎月同額。

徴収・納付とも1ケ月遅れで行います。

毎月年金事務所(社会保険事務所)から通知書が送られてくるので、これに従い納付します。

賞与から徴収する保険料=標準賞与額×保険料率

その都度保険料を計算する。

雇用保険

保険料=給与・賞与支給額×保険料率

給与・賞与支払時に、その都度保険料を計算する。

労災保険と合算して保険料を算定します。労働保険料申告書を作成して保険料を確定します。保険料は一括払い(一定額以上は3回払い)。

(※)標準報酬月額 ⇒ 4月~6月の3ケ月間の給与額の平均額で、毎年7月に届を出します。

(※)標準賞与額  ⇒ 1,000円未満の端数を切り捨てた金額ですが、健保では保険年度累計額540万円が、年金では1ケ月150万円が上限になります。

◆労働保険料申告書

労災保険料と雇用保険料は合算して納めます。保険年度が4月~翌年3月なので、4月~翌年3月の間の給与・賞与支給額を基にして保険料を計算します。なお、保険料は前納制です。

前1年間の給与・賞与支給額で前年分の保険料を計算します ⇒ 確定保険料額

本年1年間の見積りの給与・賞与支給額(実際には前年と同額とします)で本年分の保険料を計算します 概算保険料額

確定保険料額と前年の申告額(前年の概算保険料額)を比較して、過不足を本年の概算保険料額から差引きして納付額を算定します … チョットややこしいですね。

納付額が40万円未満の場合は、一括払いとなります。40万円以上の場合は3回に分けて分納することができます。

この申告書は、毎年6月1日~7月10の間に提出します(これを「年度更新」といいます)。なお、平成20年度までの年度更新は5月でした。 

 

〔参考〕

 給与・賞与の源泉徴収事務  

 

製作・著作 協進会  2003/12 ( 2009/03 改定 )


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