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法人の決算と申告  (3)−決算と申告の関係

決算が先か申告書が先か

■決算と申告書の不思議な関係

損益計算書には、当期の法人税等を最後に差し引いて「税引後当期損益」を記載します。当期の法人税等は、決算時には確定していることが必要です。

申告は確定した決算に基づいて行わなければなりません。確定していないことには、税法の規定を適用することはできませんから、これは当然のことです。

当期の法人税等は、実際に申告書を作成しないと金額が確定しません。しかし、申告は確定した決算に基づいて行わなければなりません。

どちらが先なのでしょうか? というより、どうすばいいのでしょか?

■種明かし

法人税額は、「当期の所得の金額」×「税率」 ± α (特別控除額、追加課税額) です。

「当期の所得の金額」は、別表4で計算します。別表4は次のような形式になっています。

区              分

総     額

処         分

留    保

社 外 流 出

当期利益又は当期欠損の額

10,000,000

( 12,200,000) 

 

配当

その他

 

損金経理した法人税等の額

損金経理した納税充当金の額(a) 

 

( その他 )

1,800,000

 2,200,000

( 0) 

  875,000 

 

 

 

 

 

 

 

 

仮           計

14,875,000

 

 

 

寄  付  金

 

 

 

 

所  得  税

 

 

 

 

         :

 

 

 

 

繰越欠損金

 

 

 

 

所得金額又は欠損金額

14,875,000

 

 

 

(a)… 「損金の額に算入した納税充当金の額」は、決算で未払計上した当期確定税額です。

◆決算で当期確定税額を未払計上しなかったとしたら
    @ 当期の損益の額(税引後当期損益)は \ 12,200,000 です
    A 確定税額の未払計上額の加算調整がありませんから
      12,200,000+1,800,000+875,000 = 14,875,000
   となります。

◆当期確定税額のを計上する前の(仮の)損益額で申告書を作成しても、当期の税額は計算できます。

決算の最終段階で、当期確定税額の未払計上直前までいけば、その段階で申告書を作成する。

申告書の作成後、当期確定税額を未払計上する。

税引後当期損益を確定する。

■概算法

実際に申告書を作成しなくても、申告書の仕組みが分かっていれば、概算でもかなり近い金額は出せます。

決算も最終段階になると、当期の確定申告額の未払計上を残すだけとなります。この段階では、確定申告額以外の金額は判明していますから、次のようにして確定税額を見積ります。

●法人税・住民税、事業税、交際費及び繰越欠損金を調整して、税法上の所得金額の近似値を求めます。

●損金算入した法人税・住民税・事業税があればこれを加算して仮利益金額とします。

   仮利益金額

  − 前期確定申告分の事業税額

事業税は「前期確定申告分」と「当期中間申告分」が当期の損金になります。

  − 当期中間申告分の事業税額

  − 繰越欠損金額

  + 交際費の損金不算入額       

(別表15は短時間で作成できますから、実額とします)

  差引課税対象額

●課税対象額が判明すれば、次に法人税・住民税、事業税の税額を計算します。

法人税・住民税 ⇒ 課税対象額×(法人税の税率+住民税の税率)+住民税均等割額

事  業   税 ⇒ 課税対象額×税率

確定申告額=年税額−中間申告額


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