酒税や軽油取引税など、事業に限定された税金もありますが、全ての事業者に共通の税金について簡単にまとめてみました。
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個人事業者 |
会社(法人) |
制 度 |
国に納める税金 |
所得税、消費税 |
法人税、消費税 |
申告納税
賦課方式
固定資産(償却資産)税は所有資産額を申告 |
都道府県に納める税金 |
道府県民税
事業税 |
東京都区部は都民税
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道府県民税
事業税 |
東京都区部は都民税
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市町村に納める税金 |
市町村民税
固定資産税 |
市町村民税
固定資産税 |
申告納税
… 事業者が自分で税額を計算します
賦課方式
…
課税する側が税額を決定して事業者に通知します
●申告期限
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個人事業者 |
会社(法人) |
所得税 |
2月16日~3月15日 |
- |
法人税、道府県民税・事業税、市町村民税 |
- |
事業年度終了日の翌日から2ケ月以内
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消費税 |
2月16日~3月31日 |
固定資産(償却資産)税 |
~1月31日 |
~1月31日 |
道府県民税と市町村民税を合わせて「住民税」と言いますが、これは通称です。また、個人と法人を区分するため、個人住民税・法人住民税とも言います。事業税も個人・法人を頭に付けて区分することがあります。
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個人事業者
個人事業者が申告しなければならないのは
●所得税 ●消費税 ●固定資産(償却資産)税
の3つです。
所得税の申告書が、住民税・事業税の申告書を兼ねているため、所得税の申告書だけ提出すれば住民税・事業税の申告書も提出したことになります。そのため、所得税の申告書には、住民税・事業税に関する事項を記入する欄が設けられています。
■個人事業者の税務申告については
⇒ 決算実務入門
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法人
会社(法人)が申告しなければならないのは
●法人税 ●消費税 ●道府県民税及び事業税 ●市町村民税 ●固定資産(償却資産)税
の5つです。
個人と違い住民税・事業税も申告書の提出が必要です。
道府県民税及び事業税は提出先が同じですから、申告書は1枚の用紙になっています。また、東京都区部は道府県民税と
市町村民税を合わせた「都民税」の申告書を提出します。
■法人の税務申告については
⇒ 決算実務入門
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消費税
消費税額は、事業年度中に生じた「預り(仮受)消費税額」から「仮払消費税額」を差し引いて算出します。
A |
課税売上・収益額(税抜額) × 消費税率 = 消費税額 |
一般的には預り(仮受)消費税額 |
B |
課税品の仕入、経費、固定資産購入にかかった消費税額 = 控除税額 |
一般的には仮払消費税額 |
棚卸や減価償却等の決算手続きとは無関係です。
消費税は、正確には消費税(国税分)と地方消費税に区分されますが、経理の実務では分けません。申告の際には、消費税(国税分)を先に計算してから、地方分を足す形になっています。
将来は何%になるか分かりませんが、まず4%で計算して国税分を出し、その税額の25%(つまり1%)を足します。誰でも5%に馴染んでいますから、初めは戸惑うかも知れません。
■消費税全般については
⇒ 消費税の話し
■消費税の届出書、申告書は
⇒ 国税庁
■消費税申告書の書き方は
⇒ 消費税申告書の書き方
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固定資産税(償却資産税)
土地・建物、自動車には固有の税金がかかります。個人所有、法人所有、事業用、自家用を問いません。
その他の事業用資産で、減価償却の対象となるもの(ただし、有形の資産だけです)にも税金がかかります。この税金を徴収するのは、市町村です。
事業用の減価償却資産を所有している事業者は、その所有している減価償却資産の明細を申告しなければなりません。
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所有資産の取得価額を種類別に合計します (償却済みであっても申告します)。 また、電算申告の場合はその年の1月1日現在の帳簿価額(評価額)も要申告となります。この場合は、1品ごとに1月1日現在の帳簿価額を計算してから、種類別に集計します。減価償却の計算は旧定率法で行い、償却の過不足があってはなりません。 |
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申告するのは資産の取得価額・帳簿価額であって、税額ではありません。税額は市町村が行い、事業者に通知します。 |
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申告期限は 1月末日です。 |
■詳しくは
⇒ 償却資産申告書の書き方
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