トップページ      決算実務講座目次     (2)決算整理事項     (3)決算書類


基  礎  講  座    (1)

複 式 簿 記 の 構 造 と 精 算 表

1.試算表

複式簿記では、全ての取引を貸借に分けて記録します。またどのような取引であっても、複式簿記では必ず貸借同一金額で記録(記帳)されますから、元帳(総勘定元帳)の合計額は貸借が一致します。

取 引 ( 仕訳 )

売掛金

500,000  

売上

500,000

仕入

350,000  

買掛金

350,000

借入金

100,000  

当座預金

105,000

支払利息

5,000  

当座預金 売掛金 買掛金 借入金 売上 仕入 支払利息
  105,000 500,000     350,000 100,000     500,000 350,000  

5,000  

 

●借方=500,000+100,000+350,000+5,000 ⇒ 955,000

●貸方=105,000+350,000+500,000 ⇒ 955,000

試算表は、元帳(総勘定元帳)の各科目の貸借計を一覧表にまとめたものですから、試算表の貸借合計は必ず一致します。一致しない場合は記帳誤り・転記誤りが原因です。

科   目

借方合計

貸方合計

借方残高

貸方残高

(資産科目)

 

 

******  

 

(負債科目)

 

 

 

*****  

(資本科目)

 

 

 

****  

(収益科目)

 

 

 

********  

(費用科目)

 

 

********  

 

合   計

 

 

 *********  

*********  

元帳の各科目の貸借計を記載するのが「合計試算表」、貸借の差額だけを記載するのが「残高試算表」です(上のように合計欄の他に残高欄を設ける書き方もあります)。目的に応じて使い分ければいいのですが、決算時には通常「残高試算表」を使います。決算に必要な金額は、各科目の純額だからです。

2.損益計算

残高試算表のうち、損益に関係する科目だけを取り出すと次のようになります。

売上原価

費用・損失

売上

その他収益

又は

売上原価

費用・損失

売上

その他収益

A(当期利益)

B(当期損失)

 Aは当期利益、Bは当期損失ですが、残高試算表のうち残りの部分はどうなるでしょうか。

資産科目

A’

又は

B’

負債・資本科目

負債・資本科目

資産科目

Aを除いた部分の借方合計とA’を除いた部分の貸方合計は同額ですから、AとA’は同額です。

同様に、B’を除いた部分の借方合計とBを除いた部分の貸方合計は同額ですから、BとB’は同額です。

このように、会計上の損益は複式簿記の構造から簡単明瞭に導き出すことができます。

3.精算表
簿記の勉強の最終段階は決算ですが、簿記の教科書では「精算表」が出てくると思います。極めて教科書的な決算手続きですが、個人事業者や小さな会社では、判りやすくて便利なものです。

  ●基本的な構造は次の通りです (簡単な事例を取り上げます)。

科   目

残 高 試 算 表

整 理 記 入

貸 借 対 照 表

損 益 計 算 書

現金

1,234

 

 

 

1,234

 

 

 

   :

 

 

 

 

 

 

 

 

前払費用

 

 

250

 

250

 

 

 

商品棚卸高

8,500

 

 8,250

 8,500

8,250

 

 

 

買掛金

 

 

 

 

 

 

 

 

未払費用

 

 

 

180

 

180

 

 

    :

 

 

 

 

 

 

 

 

資本金

 

10,000

 

 

 

10,000

 

 

売上

 

2,500,000

 

 

 

 

 

2,500,000

仕入

1,785,000

 

 

1,785,000

 

 

 

 

売上原価

 

 

 8,500

1,785,000

 8,250

 

 

1,785,250

 

   :

 

 

 

 

 

 

 

 

家賃

3,000

 

 

250

 

 

2,750

 

水道光熱費

2,500

 

180

 

 

 

2,680

 

   :

 

 

 

 

 

 

 

 

未処分利益金

 

750

 

 

 

750

 

 

当期損益

 

 

 

 

△(赤字)

+(黒字)

+(黒字)

△(赤字)

合    計

********

********

1,802,180

1,802,180

********

********

********

********

売上原価は 「期首商品棚卸高」+「当期仕入高」−「期末商品棚卸高」 ですから、上の例では 「売上原価」に該当金額を集めています。

〔仕訳〕

 売上原価            8,500   商品棚卸高       8,500 

 売上原価    17,850,000   仕入           17,850,000    

 商品棚卸高          8,250   売上原価            8,250 

家賃は1ケ月分が前払いのため、「前払費用」に振替えています。逆に、水道光熱費は1ケ月遅れでの支払のため、最終月分を未払計上しています。

〔仕訳〕

 前払費用              250      家賃        250 

 水道光熱費     180     未払費用      180    

前期繰越損益は、繰越利益の場合は「貸方」に、繰越損失の場合は「借方」に記載します。前期繰越損益は「資本」に準じた科目だからです。

当期損益は、「貸借対照表」欄と「損益計算書」欄では貸借が逆になります。

貸借対照表欄では資本科目に準じた扱いとします(欠損の場合は、貸方に記載して減少とします)。

損益計算書欄では、(売上収益等−売上原価、費用・損失)の差額として扱います。

〔残高試算表+整理仕訳 〕

〔貸 借 対 照 表 〕

〔損 益 計 算 書 〕

資産科目

 

負債・資本科目

 

売上

売上原価

費用・損失

その他収益

 

 

資産科目

 

負債・資本科目

 

当期利益

 

 

売上原価

費用・損失

売上

その他収益

当期利益

(売上+その他収益)−(売上原価、費用・損失)=当期利益 ですから、当期利益分だけ「資産科目」の金額も増えているはずです。当期利益(損益)がクロスワードパズルのキーワードのようになっています。

なお、当期が欠損の場合は「当期損失」は、貸借対照表欄・損益計算書欄とも、貸借逆に記載します。

精算表は決算書類の簡易一覧表ですから、法人の場合は会社法の規定に従って正規の決算書類を作成します。

個人事業者(青色申告者)の場合は、これを基に青色決算書を作成してください。


トップページ