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【扶養控除など】


扶養親族数が多いほど所得控除額は多くなります。また、本人や親族が障害者である場合、本人がひとり親や勤労学生などである場合も所得控除額は多くなります。

扶養控除等の対象となるか否かの判断

控除の対象となる項目に該当するか否かの判断は、本来は12月31日の現況によって判断します。しかし、年末調整を12月31日に実施することは、まず無理でしょう。従って、現実的には年末調整実施日の現況によって判断することになりますが、年末調整後に子の出生によって扶養家族が増加した場合などでは、年末調整のやり直しができます。

各人がどの控除項目に該当するかは、「扶養控除等(異動)申告書」の最終の内容に従って判断します。内容の確認に際しては次の点に注意が必要です。

年齢は本年12月31日現在で判断します。

配偶者控除や扶養控除が受けられる否かの要件である「合計所得金額」も、本来は12月31日現在の金額(確定額)で判断しなければなりませんが、実際には見積額で行います。

配偶者控除や扶養控除は「合計所得金額」が年48万円以下(つまり基礎控除以下)の人が対象になりますが、「合計所得金額」は所得の合計額で、収入の合計額ではありません。概ね次のように判断します。

事業所得

事業収入-必要経費

給与所得

給与・賞与の総額(非課税額を除く)-給与所得控除額 ⇒ 給与所得控除後の給与等の額

退職所得

(退職金の総額-退職所得控除額)×1/2

公的年金

収入金額

=A

 

公的年金以

外の雑所得

が1000万円

以下の場合

65歳未満

 

     130万円以下

 A - 60万円

     130万円超   410万円以下

 A × 0.75  -  275,000円 
     410万円超   770万円以下  A × 0.85  -  685,000円 
     770万円超 1,000万円以下  A × 0.95 -1,455,000円 
 1 ,000万円超   A -1,955,000円 

65歳以上

     330万円以下  A - 110万円
     330万円超   410万円以下  A × 0.75  -  275,000円 
     410万円超   770万円以下  A × 0.85  -  685,000円 
    770万円超 1,000万円以下  A × 0.95 -1,455,000円 
1 ,000万円超   A -1,955,000円 

遺族年金、失業給付金などは非課税なので「合計所得金額」には含まれません。

課税所得金額 = 合計所得金額 - 所得控除額 ですから、合計所得金額は各種の所得控除額を差し引く前の金額です。

判定の対象者が

・公的年金を受給している老親公的年金から介護保険料等が天引きされていても、保険料を差し引く前の金額で判定します。

・未亡人となった母親や、アルバイトに精を出している子 ⇒ 寡婦控除、勤労学生控除を差し引く前の金額で判定します。

控除等の金額と該当要件

区     分

控 除 額

備                   考

 

扶 養

控 除

 一般

380,000

合計所得金額が48万円以下の人。

収入が給与だけの場合は年額103万円以下、公的年金だけの場合は年額158万円(65歳未満の場合は108万円)以下。

 満16歳以上で「特定・老人」に該当しない人 

 特定

 

630,000

 満19歳以上、23歳未満

 老人

 同居老親

580,000

 満70歳以上

 同居の直系尊属

 上記以外

480,000

 

障害者

控 除

 一般

270,000

本人・配偶者・扶養親族のうち障害者に該当する人がいる場合は、左の金額が加算されます

 特別

 同居

750,000

 上記以外

400,000

 ひとり親控除

350,000

これらは全て所得者本人の控除項目です。

これに該当する場合は、左の金額が加算されます。

 適用要件については

 令和2年の年末調整 を参照してください 

 寡婦控除

270,000

 勤労学生控除

270,000

 

要件のうち、合計所得金額に注意してください。収入金額ではなく、所得金額ですから給与所得者の場合は、(収入金額-給与所得控除額)の金額になります。

これらの控除はその年に死亡した人にも適用されます。年齢は原則として12月31日現在で判断しますが、その年に死亡した人については死亡日の年齢になります。

扶養控除等(異動)申告書

年末調整対象者の1人1人について「扶養控除等(異動)申告書」の記載内容を確認し控除額を算定します。以下例をあげておきます。

● 鈴木太郎 さんの家族構成など

鈴木太郎

本人

○○子

給与収入 1,882,500円あり

配偶者控除は適用されませんが、配偶者特別控除が適用されます

□□

21歳

大学生

特定扶養親族に該当します

定額減税対象者です

▽△

14 歳

中学生

扶養親族に該当しません

    〃

△△

81歳(同居)

年金受給額が115万円あり

老人扶養親族に該当します。また一般の障害者にも該当します。

    〃

主たる給与から控除を受ける

区  分

( フ リ カ ゙ ナ )

氏     名

個人番号

 老人扶養親族

**年中の所得の見積額

住所又は居所

異動月日

及び事由

続 柄

生 年 月 日

特定扶養親族

不居住者

生計同一

源 泉 控 除

対象配偶者

 

 

*

1 

1

 

 

控除対象

扶養親族

 

(16歳以上)

1 鈴木 △△

 

同居老親等・その他

0円  

凸凹市◇◇町1-10

1

昭 18・ 5・18

特定扶養親族

 

 

2 鈴木 □□

 

同居老親等・その他

0円  

同上

1

平 15・ 8・ 5

特定扶養親族

 

 

3 

*

同居老親等・その他

*

111

1

 

 

特定扶養親族

 

 

4

 

同居老親等・その他

*

1111

1211

 

 

特定扶養親族

 

 

障害者、寡

婦、ひとり親

又は勤労学生

 

左   記   の   内   容 

1

 障害者

 □ 寡 婦

 □ ひとり親

 □ 勤労学生

 ***********************

 

 

 

 

 

1

 

 

 

1

1

本 人

同一生計

配偶者

扶養親族

一般の障害者

2

2

31

2特別障害者

3

3

同居特別障害者

2

1

基礎控除

480,000

扶養控除

 ・特定扶養控除

1人

630,000

 ・同居老親

1人

580,000

障害者控除

 ・一般障害者     

1人

  270,000 

所得控除の合計額

1,960,000

 


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