保険料控除
所得控除の対象となる保険料は次の4種類です。
社会保険料 |
給与・賞与から徴収した保険料と従業員からの申告額の合計額を控除します |
小規模企業共済等掛金
|
申告額の全額を控除します
|
生命保険料 |
1年間に支払った保険料のうち、一定額を控除します |
地震保険料(及び旧長期損害保険料) |
同上 |
社会保険料の控除
従業員が社会保険の被保険者の場合は、給与・賞与の支払いの都度保険料を徴収します。天引きで徴収した金額については金額が判っていますから、申告を待たずに控除します(保険料控除申告書には記載不要)。
次のような場合は、「給与所得者の保険料控除申告書」に記載されている金額を控除します。
● |
短時間のパート従業員などで厚生年金の被保険者でない者が支払った、国民年金・国民健康保険料 |
● |
親族、例えば大学生の子が負担することになっている国民年金を、その親が負担している場合 |
給与などから徴収した社会保険料以外の社会保険料のうち、「国民年金保険料」については証明書の添付が必要です。その他は不要です。 |
小規模企業共済等掛金の控除
本人が支払った掛金は、全額が控除対象になります。金額の多少に関わらず、証明書の添付が必要です。
生命保険料の控除
生命保険の種類によって、控除される金額及び限度額が異なります。なお、支払額が
9,000円以下のものは、証明書の添付は不要です。
まず、平成24年1月1日以後に締結
したものと、それ以前のものを 区分します。
平成23年12月31日までに締結
したもの |
平成24年1月1日以後に締結
したもの |
旧生命保険料 |
内容が医療費等の給付のものを含みます |
新生命保険料 |
内容が医療費等の給付のものは、介護医療保険料になります |
|
介護医療保険料 |
|
旧個人年金保険料 |
|
新個人年金保険料 |
|
上記の区分ごとに控除額を算定します(1円未満の端数は切り捨て)。
旧生命保険料、旧個人年金保険料 |
新生命保険料、介護医療保険料、新個人年金保険料 |
支払った保険料の金額 |
控 除 額 |
支払った保険料の金額 |
控 除 額 |
25,000円以下 |
全額 |
20,000円以下 |
全額 |
25,001円から
50,000円まで |
支払合計額×1/2+12,500円 |
20,001円から40,000円まで |
支払合計額×1/2+10,000円 |
50,001円から100,000円まで |
支払合計額×1/4+25,000円 |
40,001円から80,000円まで |
支払合計額×1/4+20,000円 |
100,001円以上 |
一律 50,000円 |
80,001円以上 |
一律 40,000円 |
●旧生命保険料の控除額の上限は5万円ですが、旧生命保険料と新生命保険料の両方に支払額がある場合、両者の合計額の上限は4万円です。
●旧個人年金保険料の控除額の上限は5万円ですが、旧個人年金保険料と新個人年金保険料の両方に支払額がある場合、両者の合計額の上限は4万円です。
各控除額の合計額が12万円を超える場合は、12万円が限度になります。
地震保険料の控除
保険の種類によって、控除される金額及び限度額が異なります。証明書の添付が必要です。
区 分 |
保 険 料 控 除 額 |
地震保険料 |
50,000円以下 |
全額 |
50,000円超 |
50,000円 |
旧長期損害保険料
(平成18年までに締結したもの) |
10,000円以下 |
全額 |
10,000円超 20,000円以下 |
(支払額)×1/2+5,000円 |
20,000円超 |
15,000円 |
両者の合計額が控除されますが、50,000円が控除限度額です。
給与所得者の保険料控除申告書
以下の記載例を参考にしてください。
生
命
保
険
料
控
除
|
保険会社等の名称 |
保険等の種類 |
保険期間又は年金支払期間 |
保険等の契
約者の氏名 |
保険金の受取人 |
新旧
の
区分 |
あなたが本年中に支払った保険料の金額(分配を受けた剰余金等の控除後の金額) |
1 |
氏 名 |
あなたと
の続柄 |
一
般
の
生
命
保
険 料 |
○○生命 |
×× |
20年 |
鈴木 太郎 |
鈴木 ○○ |
妻 |
新 |
22,400
|
1 |
△△共済 |
×× |
1年 |
鈴木 太郎 |
同上 |
同上 |
旧 |
45,800
|
1 |
1 |
1 |
|
|
|
|
|
|
1 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
新保険料等の合計額 |
A |
22,400 |
下の計算式Ⅰに当てはめて計算した金額 |
(
最高40,000円 ) ①
21,200 |
①+② |
(最高40,000円 )
③
40,000
|
旧保険料等の合計額 |
B |
45,800 |
下の計算式Ⅱに当てはめて計算した金額 |
(
最高50,000円 ) ②
35,400
|
②と③のうち大きい額 |
40,000
|
介護
医療
保険料 |
○○生命 |
介護 |
10年 |
鈴木 太郎 |
鈴木 ○○ |
妻 |
|
36,000 |
|
|
|
|
|
|
* |
|
|
|
合計額 |
C |
36,000 |
|
下の計算式Ⅰに当てはめて計算した金額 |
(
最高40,000円 )
28,000
|
個
人
年
金
保
険
料 |
□□生命 |
××年金 |
15年 |
鈴木 太郎 |
鈴木 太郎 |
本人 |
旧 |
180,000 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
1 |
|
1 |
1 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
新保険料等の合計額 |
D |
|
下の計算式Ⅰに当てはめて計算した金額 |
(最高40,000円 )
④
|
④+⑤
|
(最高40,000円
)
⑥ 40,000 |
旧保険料等の合計額 |
E |
180,000
|
下の計算式Ⅱに当てはめて計算した金額 |
(
最高50,000円 ) ⑤
50,000
|
⑤と⑥のうち大きい額 |
50,000
|
計
算 式 Ⅰ (新保険料等用) |
計
算 式 Ⅱ (旧保険料等用) |
生命保険料控除額計
(最高120,000円)
118,000
円 |
A,C又はDの金
額 |
控
除 額 の 計 算 式 |
B又はEの金
額 |
控
除 額 の 計 算 式 |
20,000円以下 |
A,C又はDの金
額 |
25,000円以下 |
B又はEの金
額 |
20,001円から40,000円まで |
A,C又はD
× 1/2 + 10,000 円 |
25,001円から50,000円まで |
B又はE
× 1/2 + 12,500 円 |
40,001円から80,000円まで |
A,C又はD
× 1/4 + 20,000 円 |
50,001円から100,000円まで |
B又はE
× 1/4 + 25,000 円 |
80,001円以上 |
一律に40,000
円 |
100,001円以上 |
一律に50,000
円 |
|
地
震
保
険
料
控
除 |
保険会社等の名称 |
保険等の種類
(目的) |
保険
期間 |
保 険 等 の
契約者の氏名 |
保険等の対象となった |
地震保険料又は旧長期損害保険料の区分 |
あなたが本年中に支払った保険料等のうち、左欄の区分に係る金額(分配を受けた剰余金等の控除後の金額)(A) |
|
家屋等に居住又は家財を
利用している者等の氏名 |
あなたとの続柄 |
△△火災 |
長期総合×× |
25年 |
鈴木 太郎 |
鈴木 太郎 |
本人 |
地震・(旧長期) |
12,500円 |
|
△△火災 |
建物(地震) |
5年 |
鈴木 太郎 |
鈴木 太郎 |
本人 |
(地震)・旧長期 |
32,000円 |
|
(A)のうち地震保険料の金額の合計額 (B) 32,000円
|
(A)のうち旧長期損害保険料の金額の合計額 (C) 12,500円
|
地震保険料控除額
|
(B)の金額 (最高
50,000円 )
32,000円 |
(C)の金額((C)の金額が10,000円を超える場合は(C)×1/2+5,000円) (最高
15,000円 )
11,250円 |
(最高50,000円
)
43,250円 |
|