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【中間申告】
法人税の年間の申告・納付額が20万円を超える場合は、翌期は中間申告・中間納付をしなければなりません。申告・納付期間は、事業年度開始日から6ケ月経過後の翌日から2ケ月間です ( 4月1日開始年度では、10月1日~11月30日 )。
中間申告の仕方は次の2通りで、いずれかを選択します。
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中間納税額 = 前期の年税額 × 6 ÷ 前期の月数 ( つまり前期の納税額の半分を申告納付する )
仮決算による中間申告
事業年度開始日から6ヶ月間を一つの決算期とみなして仮決算を行い、その仮決算に基づいて中間申告を行います。
仮決算とはいえ、年度末の決算と同様の手続きが必要で時間も・経費も必要ですが、中間申告の時点で今期の業績が悪いということが明らかな場合には、中間申告をすると税額を減らすことができます。仮決算を行った結果赤字であれば、法人税の納税額はゼロとなります。
法人税に中間申告の義務がある場合、地方税 ( 法人住民税・法人事業税 ) についても、中間申告を行う必要があります。法人住民税は、赤字でも均等割がありますので、必ず納税額は発生します。
小規模な法人では、前期の半額で申告・納税することがほとんどですが
仮決算による中間申告は、時間も・経費も掛かりますので、それを上回る資金繰り上の必要性・メリットがあるか否かが、判断基準になります。
仮決算をせずに前年の納税額の半額を納付する場合、確定申告で 年税額<中間申告額 となれば、差額が還付されます。還付金には還付加算金のおまけ(利子相当額)が付いてきますが、これが現在でもかなりの高利率です ( 法人税については原則は7.3%、令和5年~6年は0.9%。地方税については都道府県税務課のHPなどで調べてください )。 借入をして中間納税しても還付金で 「+」 が生じることもあり得ます。
〔補足〕
平成23年6月22日に成立した税制改正法案により、仮決算による中間申告は次の要件を満たす場合にだけ提出可能になりました。 ●前年度の年税額(12ケ月分)が20万円を超え ●中間申告額が、前年度の年税額の半額以下 これは、かなり高利率の還付加算金の受領を目的にした中間申告の防止策です。
仮決算による中間申告をする場合は、確定申告と同様に決算書・申告書を作成します。確定申告と同様の手順で申告書を作成しますが、次の点は異なります。
申告書
法人税別表一、第6号様式、第20号様式の 「 申告書」 には 「中間申告書」 と記載します。
◆ 別表一 ⇒ 中小法人の年800万円相当額は、800 × 6 ÷ 12 = 400 万円になります
◆ 別表五(一)及び別表五(二) ⇒ 中間申告額を「当期発生・中間申告」欄に記載します
◆ 別表十六(一)及び別表十六(二)の減価償却率 ⇒ 定額法・旧定額法・定率法の償却率はそれぞれの1/2(少数点以下3位未満切上げ)、旧定率法は [法定耐用年数 × 12 ÷ 6 ] に対応する耐用年数に応じた償却率
特定同族会社の留保金課税
中間申告には適用されません ( 中小法人はもともと適用除外です )
所得税
法人税額から控除はされますが、 法人税額<所得税額 となっても還付されません。ただし、平成29年4月1日以後に開始する事業年度で、中間申告期間に災害損失金が発生している場合は還付されることになりました ⇒ 29年度税制改正 。