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休憩室 ( 四方山話しです。一休みしてください。 )

小口現金

出納帳は仕訳帳

出納帳の繰越欄

摘要欄の使い方

適当な科目名が見つからない時は?

消費税の経理

租税公課

帳簿類の保存期間

会計の色々

繰延資産

減価償却

預金通帳と預金出納帳

還付金で一儲け

事業所得と役員報酬

節税の話しにはご用心を

税務調査の話し

利子と配当

勘定科目のいらない経理ソフト

 

●小口現金

勘定科目に「小口現金」というのがあります。

新聞代やお茶、事務用品代など少額の出費を賄うのは「小口現金」にして、給料・家賃など金額の大きなものは「現金」で処理することがあります。でも、どちらも現金には違いがありません。1円玉にも100円玉にも「小口現金」とは書いてありません。札束に「大口現金」と書いてあるのも見たことがありません。
事業規模が大きくなると、営業部・業務部・総務部(経理部)など専門の部署が必要になります。現金は経理部門が管理しますが、他の部署の小さな出費をその都度処理するのは煩雑です。そこで、いくらかの現金を部署ごとに渡しておいて、家計簿程度の出納帳に記録してもらいます。通常は、月単位で精算します。
小さな事業所では、現金を管理するのは1人だけの場合がほとんどです。にも関わらず、せっかく覚えた「小口現金」勘定を使わないと損とばかりに、帳簿を複雑にして仕事を増やしている人がいます。

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●出納帳は仕訳帳

現金出納帳で最も簡単なものは、日付・摘要・入金・出金・残高でしょうか。

日付

摘    要

入 金

出 金

残 高

02/16

事務用品購入

 

4,850 

 882,154

02/16

当座預金引出し

500,000

 

 1,382,154

これだけみれば、賢明な皆様はすぐに仕訳ができることと思います。
       消耗品費  4,850  現     金    4,850
       現 金  500,000  当座預金  500,000
経理ソフトで出納帳を作成すると自動的に仕訳ができるのは今では常識ですが、上のような簡単な出納帳では実務に使うにはデータが不足します。そこで、摘要欄にデータ収集のための区分欄を幾つも設定することになります。そして、
最終的には残高欄付き仕訳帳のような出納帳になっています。
出納帳で仕訳ができるのは便利ですが、相手科目に相手補助、更には相手科目の消費税の区分まで入力するとなると … 結局は仕訳帳(振替伝票)に入力するのと同じことで … 果たして簡単で便利なのか、チョット?です。しかも、複合仕訳は出納帳では処理できません。

 

ついでによく似た話をもう一つ。上の現金出納帳の「摘要」を「相手科目」に変えると

【現金】

日付

相 手 科 目

借方(入金)

貸方(出金)

残 高

02/16

消耗品費

 

4,850 

  882,154

02/16

当座預金

500,000

 

  1,382,154

あっという間に元帳に変身します。
簿記の教科書に出てくる元帳は、残高欄のない極めてシンプルなものが多いようですが、実務特に本格的な経理ソフトを使用している場合は、相手科目に相手補助、相手税区分、取引内容、科目残高までかなり詳細な内容を出力するよ
うになっています。
ここまで来ると、元帳と言うより出納帳と言ったほうがよいようです。

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●出納帳の繰越欄

手書きで出納帳や売掛帳・買掛帳等をつける場合、2ページ目以降の1行目には前ペ-ジの繰越額を記載するのが慣しになっています。前ページの最終行と次ページ1行目では金額が見辛いので、計算誤りを防ぐためにページが変ると繰越額を記入する … 長い間の慣行として誰しも当然のように行っています。
現在の日本では、会計事務はほとんどコンピュータで処理されていると思うのですが、長い間の習慣になるとなかなか捨てきれないもので … 市販の経理ソフトのなかにも、出納帳や売掛帳・買掛帳等の1行目には繰越額が印刷される
高機能なものがあります。
コンピュータで処理する場合、出納帳などのデータは切れ目なく続いていますから、1行目に繰越額を印刷するには1ステップ余分な処理をしていることになります。ちなみに、預金通帳にも見開き2ページの1行目には、繰越額がプリントアウトされています。
ソフトウェアーのユーザーの要求に応えるのが開発業者の仕事ですから、これも仕方のないことかも知れませんが、なくても構わない余分なことのように思えてなりません。

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●摘要欄の使い方

仕訳帳の基本は

日 付

借  方

貸  方

摘    要

04/01

当座預金

500,000

売掛金

500,000

凸凹商店

04/02

交通費

25,000 

現金

25,000 

JR

と極めて簡単なもので、これで元帳・出納帳への転記もOKです。簿記の教科書では、摘要欄も無いかも知れません。
しかし、実務では摘要欄は極めて重要です。
●取引先 ●預金口座が複数の場合はその区分
●手形取引の場合は、種別及び手形番号 ●部門管理が必要な場合は部門名
●消費税については、課税・非課税・免税などの区分及び税率区分
等の記載が必要です。
また、市販の(本格的な)経理ソフトでは取引先名や預金口座名は「摘要」ではなく「補助科目」に格上げされ、部門名や消費税の区分も「摘要」欄から独立して専用の区分欄が設けることが一般的になっています。これは、仕訳のデータを基に売掛帳・買掛帳、口座別の預金出納帳、部門別実績、消費税の納税額計算などをするためです。
そのため、1仕訳に2行~3行を割り当てていますが、事業内容や規模に応じてどの程度の区分が必要か判断する必要があります。区分欄が多いと高機能には見えますが、実際には使用しない区分欄は反って邪魔です。

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●適当な科目名が見つからない時は?

「雑費」は金額が小さく、発生頻度も少ない経費を処理する場合に使います。新聞代はまず雑費で処理しますが、休憩用のお茶や菓子代は福利厚生費にしたり、雑費にしたり、事業所でまちまちです。
その昔、フランチャイズチェーンがまだ一般的でなかった時の話ですが、ロイヤリティが「諸会費」で処理されている決算書を見たことがあります。現在では「ロイヤリティ」と言う言葉も一般化しましたので、そのままロイヤリティにしても分かるはずです。
雑費も諸会費も「その他諸々」の意味ですから、便利な科目名ではありますが使いすぎると雑費だらけ、諸会費だらけになってしまいます。

適当な科目名が見つからない時はどうすれば良いか?
例えば、小さな会社で社長が自己所有の資産を会社に貸し付けて、賃貸料を貰っているとします。資産が家屋(事務所)や駐車場であれば「地代・家賃」でいいでしょう。自動車の場合は「リース料」「レンタル料」?…… 今ひとつしっくりきません。こんな時は、自分で一番分かりやすい科目名を作りましょう。ただし、誰でも分かる(内容が想像できる)名称を考えてください。

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●消費税の経理

消費税の申告では納付すべき税額は「消費税額-控除税額」となっています。
 ●消費税額 ⇒ 通常「仮受(預り)消費税」として処理している額
 ●控除税額 ⇒ 通常「仮払消費税」として処理している額
原則として次のように計算します。
 ●消費税額 = 税抜課税取引額の総額 ×4% (国税分)
 ●控除税額 = 税込課税取引額の総額 ×4% ÷ 104(国税分)
税込経理であれ税抜経理であれ大事なことは、取引が「課税」か「非課税」か「免税(主に輸出取引です)」かの区分です。例えば「諸会費」という内容がかなり曖昧な科目がありますが
  諸会費 50,000     現金 50,000
だけでは、これが課税取引か非課税取引なのか判りません。町内会費も諸会費で処理されることがあるからです(租税公課で処理すれば非課税だということが分かり易くなります)。


消費税対応の経理ソフトには、消費税の区分欄(課・非・免・”(対象外)”)が設定されていますが、これは消費税額の計算だけでなく、申告書作成の際にも必要になるからです。
市販の手書き用振替伝票にはこの区分欄がありません。何らかの工夫をする必要がありそうです。

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●租税公課のいろいろ

税金は通常「租税公課」の科目で処理します。税金にも様々な種類がありますので、「これも?」というものを幾つか取り上げてみます。
●交通違反の罰金 … これも税金の一種ですが、税法上は経費になりません。懲罰のための税金ですから、経費に認める訳にはいかないのです。
●町内会費 … 非課税の「諸会費」としても間違いではありませんが、通常は租税公課で処理します。町内会は、市町村のいわば下請け機関だからです。
●利子配当の受取り時には、所得税と利子割り(個人住民税の一種です)が天引きされています。
 ◆個人事業者の場合は、所得税・住民税は経費にできませんから、天引き分も経費にできません。
 ◆法人の場合は、個人の税金を払う義務はありませんから、申告の際に法人税・法人住民税から差引く調整をします。
●個人で所得税・住民税などを経費にしている場合は、決算ではこれを除かなければなりません。

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●帳簿類の保存期間

税法では帳簿類の保存期間を原則7年(個人事業では一部5年)と定めています。帳簿類とはいわゆる会計帳簿・決算書類の他、領収証・レシート、請求書、送り状、納品書等、経理処理の基になる原始兆票類も含まれます。
では、なぜ7年か?
◆脱税の時効は5年ですが、仮装・隠蔽等の場合は7年
◆法人の青色欠損金・災害損失金の控除期間が7年間(平成12年度までの欠損金・損失金は5年間)なので、その間の証拠書類が必要。
7年間も紙の状態で保存するのは大変です。いわゆる帳簿類と決算書類だけであれば、「電子帳簿保存法」対応の会計ソフトを使用することでも対応できます。しかし、原始兆票類までは市販の会計ソフトでは対応できません。


小さな事業所では、次のような方法を考えては如何でしょうか。
◆スキャナーで画像処理をして、日付・科目・取引先等の情報と共にデータベースにする。
◆ディスクに保存し、何時でも画面呼び出し&印刷が出来るようにする。
ただし、「電子帳簿保存法」の要件を満たさないと、紙の原始兆票類を廃棄するわけにはいきませんが … 。巧くいけば、ダンボール何十箱分が、ディスク1枚で済むかも知れません。

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●会計の色々

会計の頭に付く文字(用語)が幾つかあります。
 ・財務会計 ・管理会計 ・税務会計 ・伝票会計 ・コンピュータ会計

●財務会計 … 期間損益と一定時点での資産・負債内容(財務状況)を把握することを目的とした会計システムで、一般的に会計といえば財務会計です。
●管理会計 … 財務会計では事業所全体の損益・財務状況を把握しますが、部門別(或いは営業所別、店舗別、個人別)の営業実績等を把握するためには、更に会計データを細分化して集計する必要があります。経営判断のためのデータですから、具体的な方法は事業所の実態に合わせて … ということになりますが、経営者に適切なデータを提供できるかどうか、経理担当者の能力が問われます。
●その他
 ・税務会計 … 税務を目的とした会計の意味であれば、本末転倒です。多くは税理士さんの「○○税務会計事務所」の意味で使われています。
 ・伝票会計 … 現金・預金取引の多い事業所では、入金・出金伝票を数多く切りますので、これを仕訳代わり使って事務作業を軽減します。
 ・コンピュータ会計 … データの集計や分類を単に機械化しただけのもので実質は何ら変わりません。

以上「会計」の色々でしたが、基本は財務会計です。簿記を勉強中の方は、まずは基本をしっかり身に付けてください。

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●繰延資産

商法では次の7項目を繰延資産と定めています。
 ・創業費 ・開業費 ・建設利息 ・試験研究費 ・開発費 ・新株発行費  ・社債利息 ・社債発行差金
これらの繰延資産は帳簿残高まで任意に償却することができます。また、5年以内にかつ均等額以上を償却することを求めています。

税法では更に
 ・公共的施設や共同的施設の負担金(例:商店街のアーケード) 
 ・業者団体への加入金(例:フランチャイズチェーンの加盟金)
 ・建物を賃借りするための権利金 
 ・ノウハウの頭金 
 ・電子計算機等の機器の賃借りに伴う費用 
 ・宣伝広告用資産の贈与費用 
なども繰延資産としています。ただし、こちらの方は任意償却ではなく均等償却です。
営業権・特許権・商標権・ソフトウエアーなどは無形固定資産に区分されていますが、繰延資産との違いはやや ?? です。権利(ソフトウエアーの場合は使用権)として売買されるものは無形固定資産のようです。

商法上の繰延資産は7つと決められています。決算書(貸借対照表)は商法の規定に従って作成しますから、税務上の繰延資産をどう表記するか?今のところ「長期前払費用」に落ち着いるようです。

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●減価償却

減価償却費の意味はご存知と思います。経理上は決算手続きで減価償却費を計上して資産価額を減らします。
 減価償却費=(取得価額-残存価額)×償却率 
        償却率は償却方法と耐用年数によって決まります
 減価償却費 ******    固定資産 ******

次の4点は、本来は事業者が適正に見積もるべきものです。
●幾ら以上の資産を減価償却の対象とするか ●償却方法 ●耐用年数 ●残存価額
しかし、これらは法令で決められています。これに従わないで税務申告すると後で修正を求められることになるので、ほぼ 100%の事業者がこれに従っています。これらの規定が不変であれば分かりやすいのですが、税制改正でたびたび変わります。1例をあげると、減価償却の対象額は
 10万円 ⇒ 20万円(昭和 ?年) ⇒ 10万円(平成10年)
になりました。また、平成10年の改正で一括償却が登場したり、建物の償却方法が定額法だけになったり、大幅に改正されました。

減価償却は、本来は事業者が適正に見積計算すべきものですが、実務では(残念ながら)税制も理解しておく必要があります。

減価償却の税法上の扱いは
◆個人事業者の場合 … 所得税法の規定(償却方法・耐用年数)に従って計算 した金額が必要経費になります。
◆法人の場合 … 減価償却費を幾ら計上するかは、会社の任意です。ただし、 法人税法の規定に従って計算した金額を超える場合は、超える部分の金額は申告調整が必要です。

個人の場合は言わば強制償却で、法人とは扱いが異なりますからこの点はしっかり覚えておいてください。
法人の場合は減価償却費の計上は任意ですから、少ししか償却しない(全く償却しない)ことも、余分に償却する(全額を償却する)こともできます。
●少ししか償却しない(全く償却しない)⇒ 償却費を計上しないと赤字を回避できる、或いは赤字決算の内容を少しでもよく見せたい場合
●余分に償却する(全額を償却する)⇒ 予定(予測)以上に黒字が出るのでこれを回避したい場合
●過小償却の場合 ⇒ 過去の決算内容と比べて極端に償却額が少ない場合、見る人が見れば、すぐに気が付くはずです(粉飾決算?)。
●過大償却の場合 ⇒ 税務申告の際、法人税法の規定に従って計算した金額を超える部分は、申告調整(会社の決算損益額を税法の規定に従った所得金額に修正すること)で加算しますから、税務上は無意味です。

法人の場合、減価償却は任意と言っても、結局は任意とは言い難いようです。

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●預金通帳と預金出納帳

普通預金であれば預金通帳に収支金額と簡単な摘要が記録されていきます。当座の場合は、取引先銀行から同じような明細が月ごとに送られてきます。
通帳・当座明細があれば預金出納帳はいらない … という訳にはいかないので出納帳を別個に作成します。通帳・当座明細では、内容がほとんど判らないためです。出納帳には、相手科目・取引先名・取引内容・必要であれば消費税の
区分及び消費税額も記録して内容の詳細が判るようにします。

では、出納帳があれば通帳や当座明細は処分してもよいか? 答は、当然ですがダメです。出納帳を含め、会計帳簿は全て事業所の内部で作成されるものです。幾ら整然と、きれいに読み易くなっていても、記録の内容が正しいか否か
は判定できません。
対外取引であれば、何かの証拠が必要です。証拠という言葉はいかめしいのですが、領収証(書)・レシート・請求書・見積書・納品書等が証拠書類です。通帳・当座明細も当然証拠書類です。

減価償却費や引当金の計上などの内部取引も、対外取引の後処理です。対外取引の証拠書類が無ければ、元になる金額が正しいか判定できません。
立派に見える帳簿であっても、その裏付けが無ければ単なる作文とみなされてしまいます。手書きの伝票であれば、書き直したきれいなものより、訂正の入ったものの方がより正確に見えるのは、私だけでしょうか?。

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●還付金で一儲け

中間申告等で税金を納めすぎた場合は、確定申告で納め過ぎた額が戻ってきます。しかも、還付加算金というおまけも付いてきます。還付加算金はその間の利息相当額ですが、その率はこの超低金利時代に信じられないくらいの高率です ( 現在はかなり下がって 4% 程だそうです )。

前年より業績が悪化する場合や黒字から赤字に転落しそうな場合は、以前なら中間決算をして資金繰りを楽にするのが常識でしたが、今や非常識になっているかもしれません。定期積金が数百万円、数千万円あっても利息は数百円、数千円にしかなりません。しかし国(税務署)に預けておくと数万、数十万の利息を付けてくれます。

資金に余裕がない場合でも、還付加算金の利率以下で借入ができれば、借入をしてでも多めに中間納付することで金利の差額が稼げそうです。 

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事業所得と役員報酬

個人事業で成功すると、多くの人が法人化を考えます。理由は幾つかあるでしょうが、節税が大きな理由のようです。
●所得税は累進税率で、最高税率は37%(平成19年度からは40%、ただし住民税との合計では50%で平成18年までと同率)ですが、法人税は30%の定率(中小法人の場合は、年800万円までは22%)です。
●事業所得は(事業収入-必要経費)ですが、給与所得は(給与収入-給与所得控除)でこの給与所得控除がかなり税金を少なくしてくれます。
個人事業を法人にする場合(これを法人成りといいます)、役員報酬を幾らにすれば税負担が少なくなるか … 色々とシミュレーションすることになりますが、個人事業で1千万円程度の所得であれば、会社の損益は±0になるように役員報酬の額を決めておけばよいようで。こうすれば、会社の税負担は法人住民税の均等割額(最低額で年7万円)だけになります。
ただし、役員報酬は従業員給与と同じように一定基準で、定期的に(通常は毎月)支払うものですから、決算の状況に併せて増減することは出来ません。そんなことをすれば、役員賞与と見なされて役員報酬分を経費に出来なくなります。

この話しは、税金の仕組みが分かっていないと??でしょうが、簿記の勉強が済んだ人は、ぜひこちらの勉強もしてみてください。

〔補足〕

平成18年度の税制改正(法人税)で、「特殊支配同族会社の業務主催役員給与の損金不算入」制度が創設されました。この制度の概要は 平成18年税制改正 を参照してください。簡単に言えば、節税目的の法人成りを阻止しようとするものです。ただし、悪評だったので平成22年4月1日以後終了事業年度をもって廃止となりました。

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節税の話しにはご用心を

払う(納める)税金の額が少なくて済むように工夫することを、「節税」と言います。あくまで、法令に反しない範囲での工夫 = 合法の場合が節税であり、例えば架空の経費を計上して税金を少なくするのは「脱税」です。
節税の話しには、2種類あるようです(脱税まで入れると3種類?)。
①とにかく税金が少なくなればいい … という話し

②経理処理或いは申告の仕方で、有利な方を選択する … という、まじめでかなり難しい話し
①の方は、資金に余裕のある場合でも、資産の買取りではなくリースの方が経費に出来る額が多く節税になる … と言った話しで、確かに税金は少なくなりますが、その結果最終の利益も少なくなります。
②の方は、税制の理解が前提です。
例えば、特別償却の適用を受けると、資産を取得した年度では割増の償却費を計上できますから、その分税金を少なくすることができます(内部処理ですから、支出の増額はありません)。しかし、次の年度以降は償却額が少なくなりその分利益は増えることになります。来年以降の話しより今年の話しの方が大事なので、多くの場合特別償却は有効とされています。

もっと判り易く効果てき面で、簡単な方法は無いのか? … その答は、まず脱税の話しです … ご用心、ご用心

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●税務調査の話し

税務調査は次の2種類です。

●強制調査

裁判所の許可を得て実施されるもので、臨検・捜索・差押もできます。当然事前通知はなく、調査は断れません。

●任意調査

通常の調査で、原則として事前通知されます。

所得税・法人税の調査で90%位は事前通知されているそうですが、任意調査であっても違法行為を疑われている場合は事前通知されません ( 裁判所の許可を得るほどの事件調査ではないとき )

調査開始の前に調査官は身分証を見せます ( 強制調査の場合は裁判所の令状も )。これは警察官(刑事)の手帳と同じで、彼らが一般人に名刺を渡すことは(悪用を防ぐために)ありません。出来の悪いテレビドラマで、調査官が名刺を渡しているのを見たことがありますが、そんなことはテレビドラマの世界だけのことで、名刺を差し出す税務署員・警察官がいれば偽者では … と疑いましょう。

それはさておき、税務調査は概ね次のようなものです。
●申告の基礎になっている決算書類、帳簿類が揃っているか
●会計処理の基礎になっている領収書(請求書)、給与台帳、固定資産台帳等と金額は一致しているか
●消費税の課税・非課税の区分が適切に処理されているか
この間に、幾つかの質問に答えることになりますが、その答えと伝票類・帳簿類に食い違いがあると、調査が長引くことになります。要は、当たり前のことを当たり前に処理していれば(適切に処理していれば)調査は何事もなく1日で終わり … 次回は数年後或いは十数年後となります。

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●利子と配当

会社の資金調達の方法は、基本的には次の3つです。
  ◆利益の留保  ◆増資  ◆借入れ/社債発行
内部留保で不足する場合、増資か借入れ(社債発行)かの2者択一になります。

資本金5千万円 (1,000株) のA社は、今期3千万円の資金調達をし、社長の読み通り業績を伸ばしました。
●借入れの場合(当期の利払いは 200万円)
   ⇒ 税引後利益は 1,800万円。1株当たりの利益は 18,000円
●増資(600株)の場合 … 200万円 ×40%を税金としておきます。
   ⇒ 税引後利益は 1,920万円。1株当たりの利益は 約12,000円
会社の資金調達からみれば、配当も利払も調達のための経費ですが、税法上利子は損金(費用)、配当は利益処分です。上の場合、借入れの方が多くの配当が期待できそうで、株主には有利なはずです。これが借入の効用です。

無借金経営=健全経営のイメージですが、頻繁に増資しているにも関わらず株価を維持している会社は要注意です。
●増資の効果が現れにはタイムラグがありますから、増資すれば1株当たりの利益が減り株価が下がるのが通常です(株価は「1株当たりの利益」だけできまるものではありませんが、重要な指標には間違いありません)。
●株価が下がると新株の引受け手が減り、増資が難しくなります。
無借金経営を謳っていた会社が、実態は粉飾だったことがあります。

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●勘定科目のいらない経理ソフト

大手のソフトウェア会社から、出納帳形式の経理ソフトが販売されており、そのキャッチコピーは「勘定科目のいらない」 … になっています。
勘定科目がいらない、或いは仕訳のいらない経理ソフトは、新しい試みではありません。パソコン用経理ソフトが出始めた頃から幾つか出ていましたが、それが主流になることはありませんでした。

勘定科目を使わないで仕訳をする仕組みは、例えば、次のようなものです。

日 付

取引内容(*) 

相手先

金 額

摘  要

09/05

商品を掛売り

凸凹商店

 245,000 

10/16当座入金

09/06

当座引出し

 

800,000

仕入代金支払準備

(*)取引リストから選択

簿記の勉強を少しでもした人であれば、すぐに仕訳が浮かんできますよね。ソフトウェアの内部では仕訳処理をして、元帳も補助元帳(出納帳や売掛・買掛帳等)も作成しますが、日常の処理では仕訳が表 (オモテ) には出てこないようになっています。上の例では、「取引内容」をリストから選択することで仕訳を判断しますが、幾つかのキーワードを選択する方法も考えられます。
一見便利なようですが、仕訳のできる人には逆に煩わしいようです。また、試算表や決算書では「勘定科目」が使用されるはずですから、「勘定科目がいらない」と言っても、少し ? です。

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