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簿記の仕組み

■ 帳簿の目的は?

継続して事業を営む限り、期間を区切ってその間の損益(幾ら儲かったか、或いは幾ら損をしたか)を計算します。

お金さえ回っていれば事業の継続は可能ですが、どの部分に資金を回せば良いか、どの部分は削るべきかといった経営判断はできません。

会社の場合は株主(出資者)に、借入金がある場合は資金提供者(多くの場合は金融機関)に対して営業状態を報告する必要があります。これをしないと債権者は資金を引き上げるでしょう。

利益が出ている場合は税金を払わなければなりませんが、損益が計算されていなければ申告ができず、無申告では多くのペナルティが課せられます。

損益だけ分かっても資産内容が判らなければ、例えば今後しばらく赤字が続いても大丈夫か、すぐにでも危なくなるか … 等の判断ができません。

決算書の損益計算書は損益の内容を、貸借対照表は資産・負債等の内容をまとめたものですが、2つで1セットです。片方だけでは実態が判断できません。

 

事業で生じる経済活動(金銭で評価できるもの)の記録簿を帳簿(会計帳簿)といいますが、目的は

@一定期間(通常は年度単位或いは月単位)の損益を計算すること

Aある時点(通常は年度末)での資産・負債等の内容を明らかにすること

です。

■ 両方一度に記録するには?

損益の記録だけでは片手落ちです。資産・負債等の増減も記録しなければなりません。これを一度に記録するのが複式簿記です。

事         例

損益の記録

資産・負債等の記録

結    果

100万円の商品を販売し、代金は翌月10日に振り込んでもらう

売上 1,000,000 増加

売掛金 1,000,000 増加

収入が増加

資産(売掛金)が増加

60万円の商品を仕入れ、代金は翌月末日に支払う

仕入  600,000 増加

買掛金  600,000 増加

収入が減少

負債(買掛金)が増加

家賃5万円を現金で支払う

家賃   50,000 増加

現金    50,000 減少

費用が増加

資産(現金)が減少

掛売代金100万円が振り込まれた

 

預金   1,000,000 増加

売掛金 1,000,000 減少

資産(預金)が増加

資産(売掛金)が減少

掛仕入代金60万円を振り込んだ

 

買掛金  600,000 減少

預金    600,000 減少

負債(買掛金)が減少

資産(預金)が減少

結果欄を見れば何かに気が付くはずです。………どれも対になっていますネ。両方増加(減少)もあれば、一方が増加・他方が減少もありますが、巧く振り分ける方法がありそうです。

どれも対になっていますから、左右に振り分けて記録します。

左  側

右  側

左側を借方、右側を貸方と言いますが、大した意味はありません。

資産の増加

資産の減少

資産には売掛金等の請求権(債権)、負債には買掛金等の債務を含みます。

負債の減少

負債の増加

左右は同じ金額を記録していきますから、左側の合計額と右側の合計額は一致します。

収入が減少

収入が増加

費用が増加

費用が減少

資本(出資)に関することも記録しますが、ここでは省いておきます。

上の例を複式簿記で記録(記帳)すると

  左側(借方) 右側(貸方)
100万円の商品を販売し、代金は翌月10日に振り込んでもらう 売掛金    1,000,000(ア)  売上高     1,000,000
60万円の商品を仕入れ、代金は翌月末日に支払う 仕入高       600,000 買掛金    600,000(イ)
家賃5万円を現金で支払う 家賃         50,000 現金        50,000 
掛売代金100万円が振り込まれた 預金       1,000,000 売掛金   1,000,000(ア)
掛仕入代金60万円を振り込んだ 買掛金     600,000(イ) 預金      600,000

●売掛金、買掛金、売上高 … 等々を「勘定科目」と言いますが、ほとんどの勘定科目は常識で分かると思います。

■ 仕訳帳・元帳・試算表

事業で生じる経済活動(金銭で評価できるもの)を簿記用語では「取引」と言います。

簿記上の「取引」は、まず仕訳帳に記録します。上に示したものが仕訳帳の基本ですが、実際には取引先やその内容も同時に記録します。

仕          訳          帳

日付

借     方

貸     方

備  考

科  目

金  額

摘  要

科  目

金  額

摘  要

04/18

売掛金

1,000,000

○○商会

売上高 

1,000,000

△△1台

05/10入金予定

04/22

仕入高

 600,000

△○1台

買掛金

 600,000

(株)凸凹

支払期限5月末

04/30

家賃

50,000

5月分

現金

50,000

 

 

             

それぞれの科目ごとの明細があれば、売上高 ・仕入高等の合計額、現金・預金等の残高もすぐに分かります。科目ごとに振り分けたものを「元帳(正確には総勘定元帳)」と言います。

現           金    (元帳)

日付

相手科目

借  方

貸  方

残  高

備  考

04/01

 

200,000

 

200,000

前期繰越

 

 

 

 

 

04/30

家賃

 

50,000

150,000  

残高欄はなくても構いません。現金(預金)の場合、残高欄があると現金元帳は現金出納帳(預金出納帳)と同じ形式になります。

全ての科目の左右(借方・貸方)の合計額又は差引き額を集計したものを「試算表」と言います。科目=元帳ですから、元帳の左右(借方・貸方)の合計額又は差引き額(残額)を集計すれば試算表の出来上がりです。

試         算         表

科   目

合     計

残     高

借  方

貸  方

借  方

貸  方

現金

200,000

50,000

150,000

 

○○預金

1,000,000

600,000

400,000

 

売掛金

1,000,000

1,000,000

 

 

買掛金

600,000

600,000

 

 

売上高

 

1,000,000

 

1,000,000

仕入高

600,000

 

600,000

 

家賃

50,000

 

50,000

 

残高の方で見ると、現金や預金の残高、売上高・仕入高・経費(ここでは家賃)が一目瞭然です。

ここまで理解できれば、3級の試験にはすぐ合格できます(保証はできません)。

〔参考〕

 ◆経理用語        経理初心者おたすけ帳

 

製作・著作 (有)協進会  2003/12

 


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