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中小企業者とリース資産

このページの記載内容は、法人だけが対象です。

■ リース取引の会計基準と税法(概略)

◆リース取引の会計基準

リース取引は次のように分類されます。

中途解約ができないか、解約可能であっても相当の違約金の支払が必要。

借手が使用物件の経済的利益を享受するとともに、物件使用のコストを負担する(フルペイアウト)。

リース期間終了後、或いは中途に

・物件の所有権が借手に移転する

・名目的価額、著しく有利な価額で借手が買取ることができる

リース物件が借手の用途に合わせた特別仕様のものであり、使用可能期間を通じて借手によってのみ使用されることが明らかなもの。

所有権移転ファイナンス・リース

所有権は移転せず、上記の要件に該当しないもの

所有権移転外ファイナンス・リース

上の要件を満たしていないもの

オペレーティング・リース

 

上記の分類に従い、次の会計処理が必要です。

所有権移転ファイナンス・リース

リース資産/リース債務を計上します

リース資産の額は(リース総額 − 利息相当額)で、利息相当額は原則として 利息法(↓) で算定します

リース資産は、自己所有の固定資産に適用している償却方法と同一の方法で償却します。

耐用年数は使用可能期間の見積り年数です。

所有権移転外ファイナンス・リース

リース資産は、耐用年数をリース期間とするリース期間定額法で償却します(残額は「0」)。

オペレーティング・リース

リース料で処理します。

◆法人税法

リース取引とされるのはファイナンス・リースで、オペレーティング・リースはリース取引ではなく、賃貸借に該当します。

平成19年の税制改正 ( 平成20年4月1日以後に契約されるリース取引から適用 ) で、所有権移転リースと所有権移転外リースの区分はリース取引会計基準とほぼ同じになりましたが、次に該当するリース取引は所有権移転リースと判定されます。

◆リース期間が法定耐用年数に比べ相当短く (70%未満 、耐用年数が10年以上のものは60%未満)、賃借人の税負担を著しく軽減すると認められるもの

●償却方法など

平成20年3月31日以前に契約されたリース

平成20年4月1日以後に契約されたリース

所有権移転リース

売買とみなされます

賃借人が選定している償却方法

売買とみなされます

賃借人が選定している償却方法

所有権移転外リース

賃貸借とみなされます

リース期間定額法で償却

●税法のリース期間定額法

リース資産に 残価保証額(↓) に相当する金額が含まれている場合は、残価保証額を控除した金額がリース資産の取得価額になります。

利息相当額については、利息法による配分、定額法による配分、リース資産に含めて償却する … いずれの処理も認められます

所有権移転リースに該当するリース資産を、定額法以外で償却する場合 ( 定額法で償却していても耐用年数をリース期間の年数より短くしている場合)には、税法上の償却限度額と一致しなくなりますので、申告調整 ( 減価償却超過額の加算調整等 ) が必要になります。

利息法

元利均等払いに含まれる利息相当額は、支払回数が進むにつれて減少します。利息法は、毎回の支払額に含まれる利息相当額を計算する方法として、一般に用いられている方法ですが、計算式は複雑なので略図 にしておきます。

 リースの支払総額と元本相当額が判れば、表計算ソフトの関数などで計算できますが、リース会社に依頼して結果を入手した方が確実かもしれません。

なお、税務では右図のような定額法での利息計算も認められます。

残価保証額

リース期間終了時のリース資産の処分価額が、契約において定められている保証額に満たない場合に、その差額を賃借人が賃貸人に支払う場合の額です。

〔補足:消費税の扱い〕

・リース取引は全て売買とみなされます。

・リース資産の引渡を受けた年度に、そのリース料の総額を課税仕入として仕入税額控除を行います。

・契約で利息相当額が明示されていれば利息相当額は非課税仕入になり、明示されていなければ利息相当額も含めた総額が課税仕入になります。

■ 中小企業者の場合

◆ 「中小企業の会計に関する指針」 の適用会社

この項の対象会社

 

右に該当しない株式会社

特例有限会社、合名会社、合資会社又は合同会社

金融商品取引法の適用会社及びその子会社、関連会社

会計監査人設置会社(中小会社で任意設置している場合を含む)及びその子会社

◆会計処理

所有権移転ファイナンス・リースについては、前項での説明の通りです。

所有権移転外ファイナンス・リースについては、次のいずれかを採用する。

●通常の売買取引に準じて処理する … この場合の処理方法は、前項での説明の通りです。

●通常の賃貸借取引に準じて処理する … 経理処理については説明不要のハズですが、「未経過リース料を財務諸表に注記する」点だけは要注意。

◆税務処理

●売買取引に準じて処理している場合

前項での説明の通り

●賃貸借取引に準じて処理している場合

リース料として経理した金額は、償却費として経理したものとみなされます。

リース料がリース期間に亘って均等定額であれば、リース期間定額法で計算した償却限度額に一致しますので、そのまま損金の額に算入されます。申告調整も、減価償却の明細書(別表十六(四))の提出も不要です。

会社が賃貸借取引に準じて ( リース料として ) 処理していても、リース期間の年数が法定耐用年数に比べ相当に短い場合は、所有権移転リースと判定されることになります。

この場合は、通常の償却額計算で限度額を計算した場合との差額を申告調整する必要が生じます。リース期間中は リース料として処理した金額>償却限度額 となれば加算調整しますが、リース期間経過後の年度は、逆に認容額が生じます(減算調整)。

■ リース会計基準の適用会社

「リース取引に関する会計基準」の適用対象会社、中小法人であっても左の会計基準に準じて処理している場合は、「◆リース取引の会計基準」の項に記述しているように売買に準じた経理処理が必要です。

ここでは、若干の補足説明を加えておきます。リース会計については多数のサイトが扱っていますので、より詳しく知りたい方はそちらで調べてください。

所有権移転ファイナンス・リースで所有権が移転した場合

◆自己所有の固定資産に切替えて減価償却を継続します

    資産(機械・装置等) *****     雑益(残額がある場合はリース資産) *****

所有権移転外ファイナンス・リースのリース期間が終了した場合 

◆通常経理処理は不要ですが、残価保証の取決めによって不足額が生じた場合は、雑損(リース資産売却損等)で処理します。

◆再リース期間を耐用年数に含めていない場合の再リース料は、発生時の費用とします。 

中途解約した場合

 ◆リース資産の残額を「リース資産除去損」等で処理します。

重要性の乏しい所有権移転外ファイナンス・リース

◆リース資産の額をリース総額とし、利息相当額を控除しないことができる。

◆利息相当額を定額法で配分することができる。

重要性の判断基準 

期末の未経過リース残額÷(期末の未経過リース残額+有形・無形固定資産の期末残高)が10%未満の場合

重要性の乏しいリース資産

◆オペレーティング・リースに準じて処理することができる。

重要性の判断基準

・リース総額が300万円以下の所有権移転外ファイナンス・リース

・会社が採用している会計基準以下の金額のリース資産

表示(貸借対照表)

◆リース資産は、原則は有形・無形の別に一括して「リース資産」と表示しますが、各科目に含めることもできます。

◆リース債務は、1年以内に支払期限が到来するものは「流動負債」、1年を超えるものは「固定負債」に分類します。

注記

◆リース資産について、その内容と減価償却の方法を注記します。

◆重要性の乏しいものについては、注記は不要です。

製作・著作 (有)協進会  2009/12


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